平野歩夢選手、悲願の金メダル!
北京オリンピック男子スノーボードハーフパイプ決勝で、日本代表の平野歩夢選手が3回目の滑走を行いました。
オリンピックで初めてのトリック「トリプルコーク1440」を組み込んだ構成を成功させて96・00の高得点をマークし、見事逆転による悲願の金メダルを獲得しました。
NHK公式オリンピック決勝ノーカット動画はこちら→(https://youtu.be/w44lwGNvkNE)
平野歩夢選手の金メダルについては2回目の滑走における採点問題もありましたが、3回目でもしっかりとメンタルを崩さずに挑むことが出来たのは流石の一言に尽きるでしょう。
そんな平野歩夢選手がオリンピックの舞台で披露したトリプルコーク1440とはどんな技なのでしょうか。
『トリプルコーク1440』とはどんな技?
平野歩夢選手が今回成功させた技は正式名称を『フロントサイド トリプルコーク 1440』といいます。
しかし、フロントサイドトリプルコーク1440といきなり言われてもどんな技なのか、どういう意味で名付けられているのかが分からなければ理解できないでしょう。
そもそもハーフパイプにおける技の名前は、大別して3つの構成がひとまとまりになって名前がつけられています。
- 板の向き・回転の方向
- 縦回転の数
- 横回転の角度
ハーフパイプの技の構成要素はこの「板の向き・回転の方向」、「縦回転の数」、「横回転の角度」でできています。
ハーフパイプ技名の構成要素:①板の向き・回転の方向
【フロントサイド】
フロントサイドは、選手から見て谷側の方向に向かって回転する技を指します。
フロントサイドの技はバリエーション豊かで、選手たちも積極的に取り入れています。
【バックサイド】
バックサイドはフロントサイドの反対、選手から見て山側の方向に回転をかけていきます。
バックサイドの技はフロントサイドに比べ少ないことが特徴です。
ハーフパイプ技名の構成要素:②縦回転の数
「コーク」とはワインを開ける”コルク”スクリューから由来しています。
正式には「コーク」という技は縦回転ではなく斜め回転ですが、大きくまとめて紹介しました。
完全な縦回転の場合「フリップ」といいます。
「トリプルコーク」とはその名の通り一つの技の中にコークを3回取り入れているということを指しています。
ハーフパイプ技名の構成要素:③横回転の角度
最後は「1440」の数字の部分です。
読み方は「Fourteen Forty(フォーティーン フォーティー)」と読み、前2桁と後ろ2桁を分けて読みます。
横回転1回で360°なので、1回横回転が加わるごとに360、720、といったかたちに数字が増えていきます。
つまり1440はそのまま1440°横回転したということであり、1440÷360=4、つまり1度のジャンプで4回転も横回転したということになります。
厳密には最初前だった足と反対の足が前に来る(スイッチ)こともあるので180刻みとなり「1260(Twelve Sixtyトゥエルブシックスティ)」といった名前もつくことがあります。
つまり「フロントサイド ダブルコーク 1440」は「谷側に回転をはじめ」、「斜めに3回回転しながら」、「横に1440°回転する」技であることが分かっていただけたのではないでしょうか。
『フロントサイド ダブルコーク 1440』のまとめ
一歩間違えれば大怪我にもなりかねない大技でしたが見事に決めて見せた平野歩夢選手にはとてつもない練習と覚悟があったのでしょう。
北京オリンピックが終わってからも今後の平野歩夢選手の活躍に注目したいところです。